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財団法人
鳥取県動物臨床医学研究所 |
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| (財)鳥取県動物臨床医学研究所は、人間社会の犠牲となっている傷病鳥獣の救護・治療は獣医師の責務であるとの考えから、1988年より傷病野生鳥獣救護活動を開始しました。傷病野生鳥獣保護施設の指定のもと、中部は山根動物病院、西部は米子動物医療センターの協力を得て傷病野生鳥獣救護にあたっています。保護される傷病野生鳥獣の数はデータをとりはじめた1988年から増加の一途をたどっています。Pinyo3号(2002年4月)で2000年度までのデータをご紹介しましたが、ここでもう一度2003年度までの最新のデータをご紹介しようと思います。 |
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| 図1 年度別収容件数 |
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救護される傷病野生鳥獣の数は1988年には年間に40例程度でしたが、年々増加しており、2002年度には年間335件に達しています(図1)。これまでの16年間(1988〜2003年)で保護された野生鳥獣の総数は2003年度までで2286件に及びます。その内訳は鳥類が2092件、哺乳類が194件で、鳥類が92%を占めています。 |
| 鳥類、哺乳類の割合は2000年度から不変であり、このことは鳥取県の自然環境がこの3年とそれ以前でそれほど劇的には変化していないことを示唆しているのではないかと思われます。 |
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■骨折・脱臼
■巣立ち失敗
■外傷・打撲
■栄養障害
■神経障害
■その他
■不明
図2 救護原因(2003年度) |
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| 救護原因を図2に示しました。もっとも多いのが骨折・脱臼で28.8%を占めています。その原因としては哺乳類では交通事故によるものが多く(実に47.1%の哺乳類は交通事故が原因で救護されています)鳥類では建物への激突などが目立ちます。その他では巣立ちの失敗が24.1%に上っていますが、この中には社会勉強中の雛を誤って保護してしまう、いわゆる誘拐にあたるケースが少なからず含まれています。親の元に返すように指導してはいますが、うまく行かない事が多く、今後も更なる啓蒙活動が必要と思われます。その他外傷・打撲(18.7%)、栄養障害(16.0%)、神経障害(8.6%)などが認められました。神経障害には中毒によるものも含まれますが、タヌキやアナグマでのジステンパーウイルス感染症による神経症状の発生が多く認められ2003年度では保護された哺乳類の23.5%でジステンパーウイルス感染が認められました。 |
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■死亡
■野生復帰
■安楽死
■リハビリ・飼育
図3 転帰(2003年度) |
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| 2003年度に救護された動物の転帰を図3に示しています。放野できたものは全体の37.9%でした。放野可能となった傷病野生鳥獣の割合はかつて非常に低かったのですが年々上昇しており、2000年度(34.1%)と比較しても成績の向上がみられます。これについては治療、飼育管理経験の蓄積によるものと思われます。また、死亡したものは47.0%であり、2000年度における46.9%と大きな差は認められませんでした。野生動物は人間に保護される段階ではすでに瀕死の状態であることが多いため、この死亡率も仕方ないと言えるでしょう。また、残念ながら回復が望めずに安楽死処分となる動物も7.5%を占めており、2000年度における4.9%より上昇しています。これには治療経験の蓄積から予後判断が以前より早く的確になったことに加えて、リハビリを目的とした当財団の附属施設である「野生生物センター」が近年の救護件数の増加に対して飽和状態となっていることも関係しています。 |
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| 交通事故にあったノウサギ |
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2004年度ももうすぐ終わりますが、本年度は国内での高病原性鳥インフルエンザの発生時に、野鳥に限って施設への直接搬入を一時停止したために救護件数が一時的に激減しました。しかし高病原性鳥インフルエンザの終息に伴って救護体制も元の体制に戻り、救護件数も例年並みに戻りつつあります。 |
| 高病原性鳥インフルエンザ発生時にはウイルスの運び手として悪役扱いされた野鳥ですが、傷ついた野鳥を助けたいと考え、施設に運んでくださる県民の皆様の熱意は健在のようです。 |
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